Siomizuのブログ

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心地よい生活を送るためのライフハック,ライフスタイルなど

自分だけのやり方でやること

 

自分の行ってた高校は,自由放任で「個人」を尊重する校風でした.公立の伝統校でありながらも,制服も校則もありません.とても自由な生活を送ることができました.こうした校風は,地方圏の公立のトップ校では比較的共通しているようです.

大学に受かるも落ちるも,浪人するもしないも,やるもやらないも全て自分次第.そこがものすごく魅力的でしたし,自分にとってはその環境がものすごく合っていました.

 

大学受験に向けて大切なのは,独自の勉強法を身につけることです.自分の行ってた高校では,勉強法を「個人」で考えさせてくれる「自由」がありました.こうしたやり方が合うかどうかは,人によりけりだと思います.でも,自分は何よりもこの「自由」に助けられたと思っています.

 

勉強法は「自由」なので,皆がいろいろなスタイルで勉強しています.「先生にめちゃくちゃ質問する人」もいたし「自習室に缶詰になる人」もいました.どんな勉強法でも,各々が「大学合格」という目標に向かって勉強していることには,変わりがありません.自分は,各々のスタイルで勉強している人たちの技巧を凝らした実践を,尊敬していました.

「個人」で「自由」に考えた勉強法に関して「効率的じゃない」「もっと良い方法があるだろう」と思う人もいるかもしれません.確かに,誰かに相談すれば,もっと良い方法が見つかるのかもしれません.でも,少なくとも自分の周りでは,こうした勉強法に関して,学生同士や教員からの同調圧力や妬み辛みは見聞きしませんでした.とてもストレスフリーな環境でした.

むしろ「そんなところで圧力かけあう方が頭悪いでしょ」みたいな風潮はあったかもしれません.でも,密かにそれは正しいと思っていました.人の生まれ育ったバックグラウンドや,現在置かれた状況は,人それぞれ全く違うものだからです.だから,そこに共通の「正しい」解は,存在しないからです.

 

より良い勉強法を身につけ続けていくために,教員は勉強法を押し付けるのではなく,こうした教材があるよとか,進学するとこんなメリットがあるよ,とか,この教材を解いていれば大丈夫だ,という道筋を示してくれました.

周りの友達は,サラッと模試でいい成績をとり「あいつは勉強してるな」という姿を見せつけてくれました.そのことを自慢して言いふらしたりしている姿も見たことはありません.お昼休みや放課後には,少しの自慢を聞いて刺激をもらいましたが,でもそれだけです.その他の時間は,普段通りに接してくれていました.

こうした配慮も「自由」を感じる場面の一つでした.

 

自分はいろいろな勉強法を試した後,2年生の4月頃に「自分1人だけの時間を増やす」ことが大切だと悟りました.友達と一緒に勉強したり,誰かと自習室で勉強したり,塾に行ったり,という勉強法が,全く合わなかったのです.これは昔からそうでした.自分が目標を達成するためにはどうしたらいいかを考えながら,1人の空間で,黙々と行動して実践することが,性に合っていました.1人の空間で考えることが,一番落ち着いて集中できました.

勉強のことを友達に聞くのも,かえって逆効果だということが分かったので,勉強のことは,本当に知りたいことだけ,信頼のおける先生に聞くようにしました.

勉強場所は,1人で勉強できる喫茶店や,公共施設の喫茶スペース,公民館など,あまり知り合いがおらず,誰からも邪魔されないようなスペースで勉強することにしました.夜は家でも勉強していましたが,実はその頃,家庭の事情で全く勉強に集中できる状態ではなかったので,家よりは外で勉強していました.

 

この過程で,自分は本を読むことが得意で好きだということが分かりました.人の話を聞いたり人と話したりするよりも,本を読んで勉強する方が定着するし,理解が深まりました.本が好きだからといって,必ずしも現代文や小説ができたわけではありません.知識や情報のインプット媒体として,本が最もフィットしていたというだけです.だから,本(教科書,参考書,授業プリント)を粘りっこく頭にインプットしていくことにしました.

 

こうした勉強を信じて実践していたら,幸運にも,今の大学に合格することができました.合格したのは運の要素も強いですが,その下敷きには自分で「正しい」と思う勉強のやり方を信じて継続できたことが大きいと感じています.

 

自分のような勉強法は特殊だったのかも知れませんが,周りの人たちに,とやかく言われることは一切ありませんでした.とてもストレスフリーでした.学生同士も,お互いのスタイルには無関心だったのだと思います.「大学合格」というゴールが決まっている以上,そこまでの道筋の組み立て方は人それぞれだということを理解していたし,お互いのスタイルに構っていられるほど時間がなかったのでしょう.この環境が,自分にとっては逆に安心でした.

そんな中でも,お互いがお互いを高めていこうとしていた風潮があったのは,励みになりました.お互い何も言わずともな雰囲気があったと思います.勉強法の話もたまにしました.「たまに」だからこそ,いい刺激になったのかも知れません.

 

高校時代は人に恵まれて,交友もたくさんありました.でも,3年間を通して「自分1人だけで過ごす時間」は本当にたくさん作ることができました.無遅刻無欠席で授業でてたし,何ヶ月かに1回はライブを開いたり,週に何回もカラオケに行ったり,古着屋めぐったり,ジャンボパフェ食べたり,友達んちでゲームをしてたはずですが,それでも自分が「自由」であるという感覚が,この時代には強くありました.

 

 

ふと,高校の合格体験記を開いてみると,自分のページにこんなことが書いてありました.

 

<自分のキャラを見極める>

…自分の性格を見極めることは大切だと思います.何故かというと,自分に合った勉強法を組み立てることができるから.…ただどれもそのまま受け入れるのではなく,自分がやりやすいように,自分の性格に合ったやり方に変えた方が良いと思います.

 

<弱いからこそ,環境が大切>

○○(高校名)の環境は…本当にありがたかったです.環境が人を変えます.

 

今読み直すと,自分のキャラを見極めて,自分の性格に合ったやり方を自分で作り上げることができたのも,何よりも自由放任で「個人」を尊重する校風,風土があったからだと強く感じます.だから,前者のトピックは,後者と関連していると思ってます.

 

 

合格体験記の章の出だしは,こんな自己分析からでした.

僕は本当に弱い人間です.部活も1年で辞めてしまうし,人に流されやすくミーハー.精神的に脆いことがあることを自覚していました.一方で面倒くさがり屋な面もありました.

 

だからこそ,日頃,高校はモチベーションを高めてくれる場だったように思います.

「こんなんで高校生活終わっていいのか!?一緒に頑張ろうよ!」

キクタンと長文やらないと寝れませんので〜」

…たくさんの人たちに感化されました.

 

 

合格体験記に記載してある数々の言葉を拝借すれば,勉強は因果応報.努力したら努力しただけの結果が跳ね返ってきます.

でも自分は「正しい」努力が何なのかを理解できるオツムが弱い.これは,高校1年生の時にいろいろな勉強法を試して分かったことです.

 

だから,世の中的な「正しい」からは一回離れて,自分だけの「正しい」やり方で継続していけば,世の中的な「正しい」につながる努力ができる.これが高校3年間で自分が得た結論でした.

自分の「正しい」やり方を信じること,実践することが,世界とつながる一番の近道だと.

この答えは自由にやらせてくれない環境,個人のやり方でできない環境であったら,身に付かなかったと思っています.自分は今でも,この3年間で得た答えに救われています.

 

この文章は,あくまで個人の感想にすぎません.例え同じ時代に同じ場所で過ごしていても,人によって感じ方が違うと思います.多分「自由」と感じていなかった人もいると思います.同じ「自由」を感じていた人でも,答えの出し方は人それぞれだから,違った問いと答えが成立すると思います.だからあくまで一人の経験として読んでほしいです.

でも,自分にとって重要なことは,高校時代ほど「自由」だと感じた時間はなかった,ということです.大学時代も似たような生活をしていましたが,それほど自分の「自由」はなかったように思います(あった時もあった).

それは,世の中的な「正しい」を知らず知らずのうちに採用して,自分だけの「正しい」やり方を涵養することを忘れてしまっていたからだと思います.自分だけの「正しい」やり方は自分の糧となって世の中的な「正しい」にも少しずつ接合していく.自分が出した自分だけの答えを忘れずにいたいと思った今日この頃です.

最高の老後の過ごし方

うちのばあちゃん(80代後半)はもちろん年金暮らしなんだけど,一番何に金使ってるの?と聞いたら「交際費」と答えた.それはそれで賢い老後の過ごし方だと思った.いろんな人に会えておみやげもらって助けあって過ごせる最高の老後じゃん.ばあちゃんは免許持ってないし自分で動けないんだけど,誰かがなんか持ってきてくれるし病院行くのもいろんな人に手伝ってもらってた.

 

あと掃除と買い物を社福に委託してるんだけど,利用料が毎月たったの2,500円らしい.そんなに安いのかよと驚いた.

調子が悪い時の解決法メモ

99%の確率で、お腹の調子を整えることで解決する。肩こりや多動症もこれで解決することが多い。運動だけじゃ解決しない。まずはお腹の調子を整えることが優先

疲れている時、忙しい時には無意識的にコンビニ飯や外食が続いていて、お腹が悲鳴をあげていることに気付いていないと思われる。まずその事実を認識することが第一歩。食べるならば麦飯やヨーグルトを少量、ゆっくりゆっくりたくさん噛んで咀嚼する。腸の調子がよければ全てハッピー

学振DC2に採用内定したので冷静に自己分析してみた(文系)

2021年度日本学術振興会特別研究員(DC2)に面接免除で採用内定をいただきました。

そこで、備忘録の意味も込めて、冷静に自己分析してみました。

 

DC1、DC2と2度学振に落ちた人が、その後採用になった記事はそれなりに価値があるだろうと思い、書いてみました。

 

※これから述べる自己分析は,あくまでも「DC2」採用内定者の分析です。DC1にはDC1の書き方があるだろうし、PDにはPDの書き方があると思います。ですので,これからDC2に申請を行う,博士後期1年生・博士後期2年生向けを対象として記事を書いています。

 

■テンプレ

結果:採用内定

資格:DC2

系別:人文

分科と細目:

業績:査読論文1(単著)、査読なし論文8(単著1(修士論文),共著7(うち5が紀要、2が報告書))、国際学会4(単著2(うち1査読あり)、共著2)、国内学会8(単著5、共著3)、表彰2、助成1

 

受入大学

受入研究室:修士の出身研究室

指導教員の知名度(出身):有名だが自分の専門分野ではない

指導教員の知名度(受入):同上

出願回数:3回目

 

正直、全く採用されるイメージがありませんでした。学振には期待していなかったので、来年度からは株式投資で生計を立てようかとも考えていたほどです。そのくらい、申請書の出来は悪かったと思っていました。

なお今年の人文系DC2は採用者が99名、面接者が26名、全体の申請者が567名でした(倍率5.7倍)。

 

■何がよかったのか

今述べたように申請書の出来は悪いと思っていたので、それでも今回採用に至った理由には何があるのか、自分なりに考察してみました。大きく分けると4つあります。

①業績が着実に増加したこと

当たり前ですが,DC1,DC2(1回目)の申請時よりも業績が増えています。特に,査読なし論文と学会発表の数は大幅に増加しました。ただ,査読論文の数はDC1申請時と同じです。それでは,どこが差別化の要素になったかというと,「研究表彰」2件,「研究助成」1件の存在かと思います。前者に関しては,修士論文に対して大学の研究科から表彰をいただきました。また,M2の時に出した査読付き論文に対して,論文が掲載された学会から若手奨励賞をいただくことができました。特に若手奨励賞は3年に1回しか審査の機会がないことから,受賞の連絡をいただいたのも申請書提出の数日前でした。まさかこの期に及んで奨励賞をいただけるとは思ってもいなかったので,本当に幸運でした。

業績については,もちろん査読論文の数を増やすことが最も重要だと思います。ただ,論文のパブリッシュに時間のかかることの多い文系分野の研究では,思うように査読論文が増えないこともあると思います。「表彰歴」や「研究助成の採用歴」でも、ないにこしたことはない、ということです。無論、最優先で増やすべきは査読論文です。(※ただ、大したことのない査読論文を増やしてもしょうがないとは思いますが)

DC1の不採用から2年間で出した助成金の申請書は、計7件にのぼります。少なくない時間を費やしましたが,その時間で学んだことも大きかったと思います。特に,申請書の書き方のテクニックと,助成機関との相性についてはかなり意識させられました。自分は文化系に強い機関から研究助成をいただいています(昔からこの機関の助成はすごく憧れていた!)が,これも自分の根底に「文化」に対する強い興味・関心があったからこそだと思います。

 

②研究計画の「緻密さ」を押し出したこと

とはいえ,業績だけでは勝てないのが学振です。今回の申請書で最も意識したことの一つとして「研究の緻密さ」が挙げられます。とにかく細かく,とにかく緻密に研究計画を作り上げました。緻密な研究計画を作る上では,「何を明らかにしたいのか」「そのためにはどうすればよいか」を細かく書くということです。以前、筆者はDC1に落ちた時に「実際にどんなことをするかが明瞭でなかった」という反省を書きました。今回はこの反省を生かし,きちんと意義づけできているか,何を,どういう方法・手順で明らかにするか,を何回も見直しながら書き進めました。

文章を書く上では,パラグラフライティング論理構造を意識しました。いくら緻密な研究でも,その意義を説得力をもって説明できないことには,意味がないように思います。いくらか論文を読んでいるうちに,説得力の強い論法や,意義を訴えかけやすい論法が存在することがわかってきました。

さらに,今年の申請書から「研究計画」欄が大幅に縮小され,研究の特色・意義づけの欄が拡大しました。この点については,今までDC1,DC2をとった先輩方・同期の申請書に加えて,科研費の研究成果をもとにした書籍をいくつか借りてきて「第1章 はじめに」の部分を読み込みました。なぜなら,科研費の申請書は学振と共通する部分も多く,科研費をもとにした書籍であれば,そうした特色や意義付けがしっかりと記載してあるのではないか,と考えたからです。

 

③研究の「現実的な」実現可能性を押し出したこと

今回、特に押し出した要素です。DC2の申請ということで、実際の採用期間は博士課程の後半に該当します。研究助成の申請経験を経て気づいたことの1つとして「研究の実現可能性を説得力をもって記述する」ということがあります。特に今年度からは「研究業績」欄がなくなり「研究遂行能力」欄に変更されるなど,過度な業績至上主義を律するような申請書へと変化しました。「あなたはこの研究を本当に実現できるのか?」をうまく証明することが今まで以上に大切になっているということです。

 

一点工夫した点として「研究遂行能力」欄の記述スタイルが挙げられます。今年からは,単なる業績の列挙を行わないように,という注意書きが申請書にも記載されてありますね。これには必ず従ってください。申請書に記載されてある注意書きを,申請書に反映させるというのは言わずと知れた学振テクニックです。

自分の場合は「研究遂行能力」欄の上部3分の2に研究業績を記載したあと,残り3分の1に文章で「研究遂行能力の根拠の説明」を記述する欄を設けました。

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既に研究の半分くらいを進めることができている,という旨を要所要所に盛り込みました。例えば,財団からの研究助成を使って,特別研究員採用までにある程度研究を進めておけることなどです。DC2採用になる頃には,博士後期2年・博士後期3年になる,という院生がほとんどだと思います。既によく研究を進めているな,という根拠(論文・学会発表・その他研究助成等)があると,審査員に良い印象を与えることができると思います。

 

④(おまけ)自粛期間に研究をどんどん進められたこと

新型コロナウイルスの大流行により,4月・5月・6月頭までは大学への立ち入りが禁止されていました。この期間,指導教官や院生との対面接触は極力控えるように指示が出ておりました。4月はゼミもなく,非常勤はオンラインでの講義でした。

ある意味では,自分のペースで,自分のやり方でどんどん研究を進めることができた,ということです。自分にとって,この自粛期間の数ヶ月は大きな財産になりました。

すでに学振を取っている同期や,国費で留学している先輩と何度もビデオ通話を行い,申請書の添削や,研究計画に関する深い相談を行うことができました(ほんと感謝)。「たくさん人に見せる」や「たくさん先輩に聞く」ことも大切ですが,加えて「自分にとってやりやすいやり方で研究を進める」ことが何より大切なのだということが分かりました。

もしかしたらこの時期,自分の都合のいいように人と「たくさん話す」ことができたのかも知れません。「自分主導」で研究を進めて,「自分」の研究のやり方や「自分」の将来について考えて行動することができたのだと思います。 それが本当によかったし,自分の性に合ってた。

 

(あとこの時期にiMacやMacbookProを買ったりして,機材投資を進めることができました。論文を書く・研究を進める上でPCのスペックは結構重要です。Appleは学生ローンが組めるのでそれで買った。)

 

■今後に向けて

★お仕事をやめられる

学振DC1に落ちた後,修士論文を書き上げた1月の終わりに,指導教官から「非常勤で教えない?」とのお誘いをいただきました。今思えば,学振に落ちてその後の生活をどうするか,途方に暮れていた自分を拾い上げてくれようとしたのだと思います(普通M2やD1の学生に非常勤は回ってこない)。そういうわけで,昨年の4月からは週2回,非常勤講師を務めています(現在進行形)。ただ,非常勤先が特殊な形態の学校のため受け持ちのコマ数が非常に多く,学生の生活指導なども行う必要がありました。ですので,授業準備のみならず,授業それ自体や通勤(往復3時間半)に時間をとられることが大きなストレスになっていました。というか普通,博士院生に週6コマは多い。

D1,D2は非常勤の収入に加えて,学生支援機構の奨学金(その他リサーチアシスタントなどもろもろ)を組み合わせて生活していましたが,学振があれば無理に働く必要がなくなり,週5で研究に専念できます。さらにうちの大学では学費が全額免除になります。

とはいえ,非常勤の仕事をして学んだことはたくさんあります。第一に,自分の専門分野に対する理解が大幅に深まりました。第二に,学生に教えることの楽しさを理解したことです。第三に,授業の構成・計画立案の方法が非常に勉強になったことです。とにかく,学生に教えることはすごく自分の勉強になった。ただ,投球練習(授業)をしていかないことには学生への指導・教育もうまくなりません。博士取得の見込みが立てば,非常勤講師のお仕事もいただいていきたいと考えています。

 

★どんどん論文を書く

これまで述べてきたように,自分が現在もっている査読論文は1報です。DC1をとった同期は,その後加速度的に論文をパブリッシュし,査読論文が2報、3報と増え続けています。彼らに負けないように,自分もどんどん査読論文を出していきたいと思います。自分の場合,週2で慣れない非常勤をやっていたこともあり,D1の段階で修士論文の投稿・査読に遅れをとってしまいました。同時並行で博論や報告書の調査・執筆を行っていますが,プロジェクトマネジメントもこの時間スタイルだと難しいものがあります。そこでD1の終わり頃から,徐々に論文執筆の「型」を作るとともに,プロジェクト管理ソフトを用いて作業管理を行い,円滑に調査・執筆を行えるようなスタイルを構築してきました。未だ100%達成できたわけではないですが,徐々に結果が出てきているように思います。この「型」と「管理」が柔軟性をもってうまく回ってくるようになれば,自分の研究スタイルにとって大きな力になると思います。とにかく,自分の研究・生活スタイルをマネージすることが博士院生にとっては大切だと思います。あと最近思うのは、査読論文なんて(ある意味)大したことないので早く出しちゃった方がいい。

 

■最後に

いろいろと書いてきましたが,学振に受かっても受からなくても,どういう研究者人生を作り上げていくかはその人次第だと思います。自分も受からなかったら,多分今とは違う研究者人生を描いていたと思います。ただ,やはり受かったものは嬉しい。何より研究者としての生活を送るためのスタートラインに立てたのですから。自分の場合,身の回りに学振採用者が複数名おり,様々なアドバイスをいただけたことは幸運だったと思います。また,自分の採用体験も踏まえて,後輩に学振申請書のアドバイスをしていけたらと考えています。

 

というわけで、この記事が自分の備忘録としてだけでなく、いろんな人の参考になりますように。

 

 

 

 

 

FenderJapanストラトキャスターのブリッジサドルを交換した

エレキギターのブリッジサドルが壊れていたので交換した
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前述の記事のように,筆者は年始に久しぶりにバンドをやることになりました。ギターケースからギターを出してみたら,「あら大変!色々と壊れてるじゃないの!!笑」となったわけです。


筆者の使っているエレキギターは,FenderJapanのストラトキャスター,色はクリームホワイトのギターです。結構年季も入っているしキズも多い。(写真を見ればわかる。)でもうかつに新調するわけにもいかない。

なぜなら,このギターは亡くなった叔父さんの形見としていただいたものなのです。
叔父さんは30代で亡くなったのですが,もし今生きていれば50代。ゆえに,結構古いギターであることは間違いありません。

そもそもネジがおかしくなっていたので,交換も仕方がないね。
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新しく購入したブリッジサドル
こちらです。御茶ノ水で購入。

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Musiclily エレキギター用ブリッジサドル、クロム(6個入) https://www.amazon.co.jp/dp/B01N3PT1AB/ref=cm_sw_r_cp_api_i_NCycEbEHZEC0H

Amazonで同種の商品を検索すると,600円くらいで買えるんですね。次からはこちらで買おう。

 

ブリッジサドルを取り付けていく

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まず,既存のブリッジサドルを丁寧に外していきます

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その後,新しいブリッジサドルを丁寧丁寧丁寧に取り付けていきます

 

 

 

 

ジャジャン!!!!!!

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新しいブリッジサドルは汚れやすいので,最期に軽くクロスがけしておきましょう

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ちなみに筆者は,こちらのクロスを使用しています

フェルナンデス WCSポリッシング クロス 625S https://www.amazon.co.jp/dp/B003C2UPSU/ref=cm_sw_r_cp_api_i_8HycEb4QPKMH7
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Amazonで400円ちょっとで買える上に,丁寧丁寧丁寧に洗えば継続使用ができるのでお得です

 

おわりに

そんなこんなで,ギターブリッジを交換して年始のセッションに臨むわけです。

音色がちょっと変わったかな??そんな気もするのですが,またたくさん弾いてみてからのお楽しみということで。

久しぶりにバンドをやるので,BOSSのギターエフェクターを大量購入した

BOSSのギターエフェクターを買いました

ギターをやっていたのは高校生の頃なんだけど,当時はお金もなく,せいぜい入手できたのはちょっと安っぽい音の出るマルチエフェクターだけ(だいぶお世話になりましたが)

年始に「久しぶりにバンドやろうぜ!」ってことになったので,思い切ってあこがれのBOSSエフェクターを購入しちゃいました。

 

購入したのはこちら

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【ACアダプターセット】 Boss(ボス) Mega Distortion MD-2 メガディストーション ギターエフェクター https://www.amazon.co.jp/dp/B07LBLVY76/ref=cm_sw_r_cp_api_i_1qccEb0Z5AFV1
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BOSS SUPER Chorus CH-1 https://www.amazon.co.jp/dp/B0002CZV78/ref=cm_sw_r_cp_api_i_KrccEb4SRTT8N
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BOSS Super OverDrive SD-1 https://www.amazon.co.jp/dp/B0013NDBS6/ref=cm_sw_r_cp_api_i_-rccEbNBMQBM8
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BOSS Tremolo TR-2 https://www.amazon.co.jp/dp/B000EMLM06/ref=cm_sw_r_cp_api_i_DsccEbJY8HQHN

 

4つ並べるとこんな感じ。カラフルでかわいいですね。

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赤青黄の信号機みたいになった。
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赤のMega Distortionと,黄のSUPER OverDriveは歪み系のエフェクター,青のSUPER Chorusと緑のTremoloは空間系のエフェクターです。

ちなみに,いずれも中古で購入したので,定価よりだいぶ安く買えました。

 

どう使うか??

筆者はかつて,ASIAN KUNG-FU GENERATIONコピーバンドを組んでいました。アジカンと言えば,ゴリゴリのパワーコードが特徴。1stアルバム「君繋ファイブエム」がその際たる例です。

例えば「未来の破片」を再現しようとすれば,ゴリゴリに歪ませたイントロをうまく表現しなくてはなりません。マルチエフェクターでも再現できないことはないですが,やはりチープな印象は否めない。

そこで信頼と安定のBOSSです。BOSSのディストーションとかはゴッチも使っているみたいだしね。

君繋ファイブエム https://www.amazon.co.jp/dp/B0000DJWT0/ref=cm_sw_r_cp_api_i_RbfcEb4DD62QQ

それからアジカンの代表曲の一つに「ソラニン」がありますが(※筆者はソラニンアジカンの代表曲とはあまり言いたくない。なぜなら,作詞が「ソラニン」作者の浅尾いにお先生なのだ!),あれを再現するためには空間系のエフェクターを有効活用する必要が出てきます。今回TremoloやChorusを購入したのはその目算があったから。欲をいえばReverbが欲しかったが,予算オーバーでした。

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル) https://www.amazon.co.jp/dp/4091897363/ref=cm_sw_r_cp_api_i_jcfcEbS7AJG1T

ソラニン https://www.amazon.co.jp/dp/B0035NO6KE/ref=cm_sw_r_cp_api_i_VcfcEbXXMB88E

 

中古BOSSエフェクター購入時の注意点

使用できるACアダプタの種類に要注意。

以前のBOSSエフェクターは,ACアダプタの規格にACA規格を使用していました。

ところが最近のBOSSエフェクターは,下の写真の様にPSA規格に規格が変わっています。

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写真のシールが貼ってある箇所に「PSA」の文字が見えますね。このシールが貼ってあるエフェクターでは,基本はPSA規格のACアダプタしか使えません。いろいろと抜け道もあるみたいだが,おれはあんまり詳しくないしおすすめしない。
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この写真のアダプタがBOSS用のPSA規格ACアダプタですね。持っていなかったので,一緒に購入しちゃいました。

BOSS ボス ACアダプター PSA-100S2 https://www.amazon.co.jp/dp/B01BLC5ZLY/ref=cm_sw_r_cp_api_i_E-ecEbWB06DM8

ギターやってる人からすれば当たり前の話なのかもしれませんが,おれは恥ずかしながら知りませんでした。中古でBOSSのエフェクターを購入する際には,エフェクターACA規格なのかPSA規格なのかを必ず確認してから購入するといいと思います。

 

電源を9V電池からとるよ〜とか,そういう人には関係のないはなしかもしれない。

それから,新品で発売されているエフェクターはPSA規格に置き換わっていますので,心配なしです。

 

おわりに

そんなこんなで年始にアジカンをやる予定なんですが,目下エフェクターでの音作りに取り組んでいます。最近のアルバム(ホームタウンとかCan't sleep EPとか)を聴くと,アジカンも音作りが変わったよなーとか思ったり思わなかったり…

実際にエフェクターを使ってみるのはこれからになりますが,エフェクターがあるのとないのとでは音が全く違ってくるので,どうなるか楽しみ。

 

ホームタウン(初回生産限定盤)(DVD付)(特典なし) https://www.amazon.co.jp/dp/B07HSZQTGW/ref=cm_sw_r_cp_api_i_9afcEbPDR350X

学振(DC1)に落ちたので冷静に自己分析してみた(文系)

2019年度の学振(DC1)に申請していましたが,案の定落ちてしまいました。

そこで,備忘録の意味も含めて冷静に自己分析してみました。

受かった人の記事や,面接まで行った人の記事はよく見かけるのですが,普通に落ちた人の記事はあまり見かけないので,何かの参考になればと思います。

 

◼︎テンプレ

結果:不採用B
資格:DC1
系別:人文
分科と細目:
業績:査読論文1(単著),査読なし論文5(共著5,うち3が紀要,2が報告書),国際学会3(単著2,共著1),国内学会2(いずれも単著),研究発表会2

出身大学:
受入先:修士の出身研究室
指導教員の知名度(出身):有名だが自分の専門分野ではない
指導教員の知名度(受入):同上
出願回数:1回目

Tスコアは3.14で平均よりちょい上,将来資質が3.7で研究計画と研究遂行可能性がそれぞれ3.3でした。

査読論文が単著で1報ありますが,掲載誌は一流誌ではなく,その2ランクくらい下の雑誌です。ただ,いわゆる卒論クラス,短報クラスの論文ばかりが載る雑誌ではなく,分野では一定のレベルがある雑誌です。もちろん,現段階で査読誌に論文を載せている人は多くないので,それなりの業績とはいえるかも知れません。

 

なお,今年の人文系DC1は採用者が60名ちょっと,面接者が20名ちょっとで,例年より面接者が少なく採用者が多い印象です。全体の申請者は360名程度いたでしょうか。

 

全体として「将来性はそこそこあるが,研究計画が平凡すぎる」という印象でした。

 

◾︎何がダメだったのか

 

①卒論,修論,今後の研究でそれぞれテーマが一貫していなかった

自分は学部の時にいた研究室から,修士進学時に隣接分野の別の研究室へ異動しました。今いる研究室は,もともと大学に入る前から行きたかった研究室だったのですが,大学入試の時点で入試に失敗したこともあってその願いは叶わず,大学4年間は隣接分野の別の研究室で研究をしていました。

大学4年間の研究は面白かったのですが,隣接分野ということもありテーマ設定や方法論が異なるため,学部での研究と修士での研究は切り離さざるを得ませんでした。そのため,修士1年時は研究テーマの模索に苦しんでおり,学部と修士で一貫したテーマに取り組んでいるほかの院生友達からは遅れをとってしまったのかなと思います(ようやく修士2年の今頃になって研究テーマが定まってきました)。その結果,学振の申請書の「今までの研究」の部分をうまく書けなかったり,「これからの研究」で何をやりたいのか,想像を膨らませることができませんでした。最大の敗因はここにあると思います。

業績に関しても,単著で書いた査読論文は学部時代の研究をもとにしたものだったので,修士での研究やこの先の研究とはほどんど接点がありません。また,学会発表も1報を除けばほどんどが学部時代の研究をもとにしたものだったので,そういった点を踏まえれば業績があるように見えて,今回のテーマに関連する業績がなかったのかもしれません。

 

②対象となる「研究テーマ」「先行研究群」をうまく書けなかった

今までに述べてきた通り,自分には一貫した研究テーマがなかったため,申請書全体を見渡しても「この人は何をしたくて今まで研究に取り組んできたのか」というアピールポイントが薄かったように思います。例えば,人文学の中でも哲学,哲学の中でもギリシャ哲学,あるいは中国哲学など,大きな枠組みで取り組んできたテーマがあれば,審査員も申請書を読んで「この人は中国哲学の枠組みで研究を続けてきたんだな」ということがすんなり頭に入るのだと思います。

研究の大きな枠組みが不明瞭なまま申請書を書いていったため,研究で最も重要となる「先行研究群」をうまく記述することができませんでした。色々な分野からちぐはぐと先行研究を持ち寄ってきたがために,不安定な枠組みの中で論を組み立てるほかなく,自分としても「なんか違うんだよな」という印象が強く残りました。先行研究群を意識できないと,自分がどんな問題を設定できるのか,どんな視点で研究を進めていくのか,この研究は何を明らかにするのか,この研究は何が新しいのか,という研究の根幹部分が揺らいできてしまいます。

大きな研究テーマと枠組みの中で,その枠組みの中で使われる先行研究群を意識して記述できなかった点が,やはり敗因の一つだったと思います。

 

③実際にどんなことを調査したいのかが明瞭でなかった

人文学の分野でも,文献調査なり博物館調査なり参与観察なり,なんらかの調査を経て研究を進めていくものです。今回の申請書では,具体的に「いつ,誰と,どんなことを,どこで,どのような形で」調査して,それをやると「何が明らかになるのか」という一連の研究手続きを記述することができませんでした。よく学振のアドバイスで研究のフローチャートを載せる,というものがありますが,あれは人文学や社会科学の分野でも重要だと思います。個人的には,今後学振の申請書を書くにあたって一番重要になってくるのはどんなことを調査したいのかという部分をいかに書けるかということだと思います。もちろん,フローチャートの中にはうまくいかなかった場合の対処法も記載して,研究の遂行可能性についても十分に評価する必要があります。さらには,自身の研究能力,研究スキル,語学力などを踏まえて,その実現可能性についても精査する必要があります。今回の申請書で「研究計画」「研究の遂行可能性」の評点が平凡なものだった理由は,ここがうまく書けていなかったからだと思います。大きな枠組みの中で先行研究を精査するとどんな課題が設定され,その課題をどのように解決するのかというフローチャート,そしてそのフローチャートを実行することでどのようなことが明らかとなり,それは大きな研究枠組みの中でどのような寄与をするのか,(さらには社会的にどのような影響を与えられるのかという点まで述べられると最高だと思います)という流れを決める根幹となる部分が,この「どんなことを調査したいのか」というところだと思います。

やはり,この部分をよく書けている人はDC1に通っている気がします。

 

◾︎今後に向けて

 

★どんな人が学振に通っているか

今回,自分は残念ながらDC1の申請には落ちてしまいましたが,まわりの院生友達や先輩で学振に通っている人が複数名いました。素直にすごいと感じるとともに,研究室全体としてみてもなかなかの成果だと思います。そういった人はどんな研究テーマで申請し,なぜ通っているのかを分析すると,「卒論・修論・今後の研究の大きな枠組みが一致していた」ことが何よりも大きいです。大きな研究枠組みが一致すれば,おのずと先行研究群が設定され,その中での課題を導き出し,実際にどんなフローチャートで研究を進めていくのかが記述しやすくなります。自分の場合はやはり,卒論と修論の枠組みがかなり異なるのに,それを一緒くたにして書いてしまった辺りがダメだったんだろうなと思いました。

もちろん彼ら・彼女らは自身の一貫した研究テーマに関する業績を地道に作ってきていました。査読論文は出ていなくとも,学会発表をたくさんこなしたり紀要論文を書くことも重要だと思います(もちろん一貫した研究テーマに関して)。さらには,優秀な学業成績をおさめていた(学部長賞とかポスター賞とかベストプレゼン賞)ことも大きく採用に関わってきたと思います。

これから研究を進めていく学部4年生や修士1年生の中には「他の研究テーマも極めたい」という人も多いと思います。もちろん,1つのことだけを極めるのが研究ではありませんが,研究者としてのキャラクター性というか,「その人にしかできない独自の一貫した研究テーマ」というものがこれからの時代評価されていくのだと思います。幅広い視点でものごとを考えていくことは重要ですが,自分にしかできない一貫したテーマやメッセージを絞りつつ,研究をつくりあげていくことが大切なのだと思います。そういった意味で,学振はその人にしかできない独自の一貫した研究テーマを評価してくれるという点ですばらしいものだと思います。

 

★学振の制度的側面とかもろもろ

今までさんざん「一貫した研究テーマが大切」ということを述べてきた理由の一つに,学振(とくにDC1)に関する制度的改定があります。従来の学振DCに関してはあくまで「研究計画」を重視するとはいいつつも,業績面での評価が偏重されがちで,肝心の中身についての評価があまり重要視されないという傾向があったようです(先輩方や先生から聞きました)。ところが,近年の審査より,学振DCの審査に関しては「研究計画」を重視して評価する方針へと変化したそうです(これは学内の学振担当者が説明していました。多分学振のサイトのどっかに説明があるはず)。このことは,もちろん業績をあげることは大切だが,それよりも一貫した研究テーマに基づいた,緻密な研究計画を評価するようになったということです。学振DCや学振PDを取っている先輩方,それから先生方も,ぜひこの点について再認識して学生やラボの後輩にアドバイスをしていただけるとよいと思います。

 

申請書の添削などについて

それから,学振のアドバイスに「いろんな人に申請書をみてもらう」というものがありますが,あながち間違っていないことだと思います。同じラボから複数名学振を出している研究室は,ラボ内にそういうシステムが存在している場合が多いと思います。実際に自分も,申請前に学振をとっている先輩に3〜4回,同じく学振を申請した同期と10回くらい,学振と関係ない友達に4〜5回くらい,研究室のボスにも2回ほどチェックしてもらいました。学振をとっている先輩からのアドバイスは,説得力のあるものでとても参考になった点も多くあります。

ただ難しいところは,自分の研究テーマと先輩や同期の研究テーマが必ずしも一致するわけではないというところです。自分の研究テーマは自分にしかわからないものですし,あくまで申請書の書き方や考え方,テクニックの面で参考になるところはある,という心持ちで添削をお願いするといいと思います。人は不安になると,かっこよく見える人の金太郎飴になろうとします。自分はおそらく,申請書を執筆する段階で学振をとっている先輩や,優秀にみえる同期の金太郎飴になりかけてしまった時期があったんじゃないかなと思います。「ここはこうするといいよ」とか「これはダメだよ」というアドバイスをいろんな人からいただくと思いますが,自分の中で腑に落ちない部分は真似しなくていいんです。アドバイスを自分の中で自己分析して,やっぱり自分が納得のいく形で出した方が絶対後悔がないと思います。だって,今あなたが申請しようとしているのは,自分の独自の論理で形作った,自分の一貫したテーマの中で行う,自分にしかできない研究なんですから。

このあたりは,本当に難しいところですよね。でも学振をとっている先輩方や同期をぜひ有効に使って申請書を書き上げるといいと思います。その人なりのテクニックとか,論理を学ぶいい機会になりますし,研究の表現方法とかで悩んでいることを相談すると,「そうだ、こういう見方で研究できるんだ!」という再認識があったりしますから。自分はブログみたいな文章をダラダラ書くのは苦にならないのですが,今自分のやっている研究をシンプルに書くとどういう位置付けになるのかとか,そういう文章を考えるのが苦手なので積極的に先輩を活用して議論を発散させていました。あまり長い時間議論をすると,自分の場合はやはり金太郎飴になってしまうので,自分が悩んでいることをピンポイントで明確にして相談するとよかったのかなと思います。最近はそうしてます。

 

◾︎最後に

いろいろと書いてきましたが,やはり学振に落ちると少し落ち込みます。だって目の前から生活費720万円+研究費300万円が消えていくわけですから。1人に1,000万円もらえると考えるとなかなかすごい制度だと思います。でも,学振が自分の研究スタイルだったりだとか,自分の表現方法を見直すいい機会になることは間違いありません。自分は来年も,絶対にDC2を申請するつもりです。もちろん,今度は一貫したテーマで。とても悔しいですもんね。今回,周りでDC1をとった同期に「一番応援してるよ!」と言われたのが何よりの救いです。自分の場合,今度は同期や先輩方といろいろ情報交換をしながら学振を申請できるので,恵まれた環境にあるのだなと感じており,とても嬉しいです。次はぜひ自分に学振をとらせてください。

自分は学振をとったわけではないので,もしかしたら学振をとった人はまた異なったメンタルのもちかたとか考え方があるのかもしれません。そのあたりについて,インターネットで議論できると面白いなーとは思います。このブログを見ている人も少ないと思いますが,コメントとかでいろいろ自分なりの見方や,考え方などを教えてもらえると嬉しいです。

 

というわけで,この記事が自分の備忘録としてだけでなく,いろんな人の参考になりますように。